Wonderful DaysⅠ
魁のバイクが闇の中へ消えた後───
「なぁ……葵…」
未だ、信じ難い光景を目の当たりにした蓮。
「何だ?」
「あの話、マジだったのか……」
視線を蓮に移した葵が返事をすれば、小さく呟くように言葉を発した。
それに応えるように微笑む葵だったが……
「それでもあそこは、あの子の指定席じゃないんだけどね……」
溜め息を一つ吐いてエンジンを掛けると
「───俺達も行くぞ」
メンバーに告げて走り出す。
葵に続いて次々と走り始めたバイクは、神威の旗を靡かせながら夜の街を流れて行く───