Wonderful DaysⅠ
それに苦笑いしか返せなくて
「か、鍵がありません……」
「落としたのか?」
「いえ……持って出るのを忘れました」
私の言葉を聞いた魁さんは「───はぁ…」と盛大な溜め息を吐いて額に手を当てた。
情けなくて視界が涙で滲む。
「家には何時頃帰ってくるんだ」
魁さんの言葉に益々、体が萎縮する。
とても言い辛い……
「今日は誰も帰って来ないんです」
私の言葉を聞いた魁さんは眼を大きく見開いて
「マジかよ……」
項垂れた。