Wonderful DaysⅠ
───ん───っ、やっぱり美味しいっ!!
そんな私を見ていた葵さんが
「マリアちゃんは、美味しそうに食べるね」
オニオングラタンスープを口に運んで微笑んだ。
何て絵になるんだろうか……
私の塩サバ定食とも、赤髪男の薬膳スープとも違って王子様が優雅にスープを飲んでいる。
葵さんって神威の総長なんだよね?
総長って言うより、何処かの国の王子様みたいなんだけど。
それを言ったら、お隣の魁さんも元総長なんだよね……
ちらりと隣の魁さんを盗み見れば、こちらも優雅に『カツ丼』を食べていた。
魁さんにカツ丼
に、似合わないな……
頭の中で妄想しながら食事を終えた私。
「さて、これからどうしようか?」
葵さんの一言で現実に引き戻される。
そうだ。このまま付き合ってもらうわけにもいかないんだから、ちゃんと言わないと。