Wonderful DaysⅠ
「あの、ありがとうございました。私は朝まで此処にいるので大丈夫ですから」
ちゃんと伝えたのに
「───ムリだろ…」
魁さんに即答された。
「マリアちゃん。女の子を一人で残して行く事は出来ないよ」
魁さんの言葉に続けて、私に言い聞かせるように言うと眉尻を下げる葵さんと
「コイツなら問題無い」
魁さんと葵さんの意見を否定する赤髪男。
「一人で此処に居たら、さっきみたいな女に絡まれるぞ?」
魁さんの指摘に反応を示したのは葵さんで
「……女に絡まれた?」
さっきまでの、優しい王子様のような雰囲気がガラリと変わって……
鋭い視線で射抜かれると、やっぱり神威の総長なんだと思い知る。
それに頷くと
「へぇ……ヤローにも女にもモテモテじゃねぇか」
意地悪な笑みを湛える赤髪男。
───そんなモテ方、嬉しくないっ!