Wonderful DaysⅠ
「そんな話を聞いたら益々、一人にする訳にはいかないよ。ねぇ、魁?」
怖い笑みを浮かべる葵さんに頷いた魁さんは
「大体、お前、一人で此処から帰れねぇだろ?」
最早、否定する事の出来ない事実に、頬が引き攣る。
それでも、一緒に居てもらうのを心苦しく思っていれば
「そうと決まれば、取り敢えず出ようか」
お店を出ようと言う葵さん。
「でも、悪いです……」
「お前が出ないと、俺が出れねぇんだよ」
席を立つ事に躊躇していれば、魁さんに言われて無理矢理、通路に押し出された。
「───行くぞ」
私の横に置いてあった、制服入りの紙袋を赤髪男に押し付けると、私の腕を掴んでさっさと店を後にする魁さん。