Wonderful DaysⅠ
「はい?」
呼ばれた声に振り向いた私の顔色は、きっと真っ青だったと思う。
「ちゃんと、お金は払ってあるから大丈夫だよ?」
私の不安を察したのか、葵さんがホッとする答えをくれたんだけど……
「赤髪男はお金を払っていないって言ってましたっ!」
気が動転していた私は、思いっ切り『赤髪男』と叫んでいた。
それが耳に届いた三人は、三者三様の反応を見せる。
「あ゛ぁ゛? てめぇ、赤髪男って俺の事言ってんのかっ!?」
すんごい睨みを利かせた赤髪男に
「ぶっっ!!!」
後ろで吹き出して大笑いしている葵さん。
魁さんなんて、きょとんとしたまま表情が固まっちゃてる……
「す、すみませんっ!!何て呼んでいいのかわからなくて……」
慌てて謝ったけど、そんな事で許される筈も無く……
「てめぇ……俺にケンカ売ってんだろ!」
赤髪男に胸倉を掴まれそうになるけど、その手を掴んだのは魁さんで。