Wonderful DaysⅠ


「店を出る前に、魁が蓮に紙袋を渡したでしょ?
あの時に一緒にカードを渡してたんだよ」


葵さんの説明に、目が点になる。
あの時、カードも一緒に渡していたなんて全然気が付かなかった……


───何て、スマートなんだ……


感心していれば、ちょうどコンビニから出て来た魁さんと目が合う。
その手には、何か買ってきたのかビニール袋を持っていた。


「マリア、手を出せ」


───手?


意味がわからず、両手を出せば
痛めていた右側の腕を引かれる。


「凄ぇ、色だな……」


「……これって、絡まれた女にヤられたの?」


手首の痣を見た蓮さんは眉間に皺を寄せ、葵さんは……
優しい王子様ではなく、神威の総長様の顔に変わっていた。

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