Wonderful DaysⅠ
その後は、庭園を散歩しながら話をして、パーティー会場に戻ると二人でビュッフェ形式の食事を堪能した。
そして、パーティーもそろそろ終わりを迎える頃。
私は、すっかり忘れていた……
「そう言えば、お前、ずっと一人で大丈夫なのか?」
「え?」
「一人で来たんじゃないだろ?」
男の子の言葉に、全身の血が引いていく……
私、アル兄さんに「此処で待ってて」って言われてたんだ!
「ど、どうしよう!?捜索願出されちゃうっ!!」
「は?」
私の悲鳴にも似た言葉に、男の子の口から間抜けな声が零れた。
「私、前に迷子になって兄さんに捜索願出された事があるの。どうしよう……あそこで待ってろって言われてたのに……」
顔面蒼白になる私の顔を心配そうに覗き込んできた男の子。
「あそこって、さっきの場所か?」
聞かれた言葉に頷けば、きょろきょろと見回して
「此処で捜索願が出る事は無いけど、俺が連れて行ってやるよ」
私の右手を握って歩き始めた。