Wonderful DaysⅠ
「え? つ、妻!?」
聞き返した私に、綺麗な笑みを浮かべた男の子は、繋いでいた右手を離し、私の手の平を広げると自分の首下に指を差し入れた。
何かを掴んだ手をグッと引けば「プツッ」と聞こえた音と共にキラキラと光ったチェーンが見える。
それを私の手の平に乗せると
「約束。」
そう言って私の手を包み込んだ。
これは、告白なのだろうか?
でも「付き合おう」じゃなくて「妻にしてやる。」って……
───プロポーズ??
どう受け取っていいのかわからなくて、男の子の顔を見るけれど冗談を言っている様には見えない。
「約…束?」
ポツリと呟けば、男の子は満足気に頷いて私に笑顔を向けていた。
そう言えば……
「あなたの名前は?」
名前も知らない人にプロポーズされてた……
「俺の名前は、ゆう「マリア!」」
男の子の言葉を途中で遮ったのは、アル兄さんの声。
横から聞こえた声に視線を移せば、こっちに向かってくるアル兄さんの姿が見えた。