Wonderful DaysⅠ
「あ?」
蓮さんは、後ろから聞こえた声に振り返ると、肩越しに視線を向けた。
「マリアはハーフだ」
いつもの表情に戻った魁さんが、蓮さんに説明すると
「魁、お前知ってたのか!?」
困惑の表情で尋ねた。
「あぁ」
「だからか……」
二人の会話の内容から、魁さんは私がハーフだったのを前から知っていたようだけど……
私を無視して進んでいく会話についていけない。
そんな私に向き直った蓮さんは
「おい、クソ女!」
不機嫌な態度を変えないまま私を呼んだ。
「はい」
「とっとと着替えろ。飯食いに行く。」
「え?」
「てめぇが起きねぇから、朝飯食えねぇんだよっ! 5分で準備しろ。それ以上は待てねぇ」
そう言うと、踵を返して部屋を出て行ってしまった。
部屋に置かれていた時計を見れば9時15分を指していて……
「9時15分!?」
驚きのあまり、大声で叫んでしまった。