Wonderful DaysⅠ
───どんだけ寝てるのよ、私……
「取り敢えず、支度しろ。遅いと蓮が乗り込んで来るぞ」
呆然としていた私に声を掛けた魁さんは、新たな紙袋を差し出してきた。
この紙袋は、まさか……
「あの、これは?」
紙袋に指を指して一応、聞いてみる。
「着替えだ」
───やっぱり。
でも、昨日買ってきてもらった、目が飛び出るほど高い服は、魁さんの後ろの壁に掛けてあるのが見える。
なら、これは新たに買った服なの!?
「服なら、昨日買って頂いたのがありますから大丈夫です!」
必死にお断りしているのに
「マリアちゃん、でもね? もう既に買っちゃった服だからさ?」
優しく諭す葵さん。
「俺達に、女装の趣味はねぇからな」
そう言って私に紙袋を押し付けてきた魁さんの言葉に、思わず三人の女装した姿を想像してしまった。