Wonderful DaysⅠ
「……何処に行こうとしてたんだ?」
呆れながらも場所を教えてくれそうな雰囲気に、ポケットに折り畳んでおいた地図を差し出した。
「……………………」
「……………………」
やっぱり、その地図を見たら同じ反応しますよね?
地図を広げたカイさんは
「この地図を、お前に渡したのは誰だ」
まるで、可哀想な子を見る目で私を見てきた。
「兄です……」
「はぁー……葵、場所を調べろ」
地図を受け取ったイケメンさん……
もとい葵さんは、スマホを取り出して何かを調べ始めた。
「わかったよ」
まだスマホを弄りだして、ものの数秒しか経ってないんですけど。
あまりの早業に驚いて、葵さんを見ていたら
「行くぞ」
まだ準備が出来ていなかった私に発進合図を告げると、煌びやかなネオンの世界に向けて再び走り出した。