Wonderful DaysⅠ
「こ、恋!?」
私まで大きな声が出てしまって、思わず両手で口を押さえた。
教室を見回してみたけれど、私達の声を気にする事無く、それぞれのグループで話をしているみたい。
「そ。その人の笑顔を思い出す度に胸が高鳴るんでしょ?」
周りを気にする事無く話し続ける綾ちゃんに、コクコクと頷けば
「マリアは間違い無く、その人に恋してるね!
ってか、マリア。そこまで鈍感って……もしかして初恋なの!?」
初恋を指摘されて、慌てて首を横に振る。
「じゃあ、マリアの初恋っていつ?」
「えっと、12……かな?」
私の答えを聞いた綾ちゃんは、何故か顔を顰める。
「その時は、今回みたいなドキドキしなかったの?」
「…………」
今回みたいなドキドキ?
聞かれたら、それは「NO!」と答えられる。
確かに、あの時もドキドキはしていたと思う……
けど、笑顔を思い出す度に心臓が壊れそうなくらいのドキドキは無かった。