Wonderful DaysⅠ
『…聞いてる。で? 魁の婚約者がどうしたって?』
バツの悪そうな返事をしたけど、何とか質問に答えてくれそうだから、そのまま口を開く。
「今日、うちの学校に結城の婚約者だって名乗る暁 月って女が転校して来たんだけど、何か知ってる?」
『は?』
「は? じゃないわよ。
結城と同じ車に乗って登校して来たって学校中の噂になってるんだから」
間抜けな声にムッとして、口調が強くなるのは、いつもの事。
『魁と同じ車に乗ってた?
確かに、魁の婚約者はこっちに来てるが……
暁なんて名前じゃないぞ?』
聞きたかった答えを聞いて満足なんだけど……
新たな疑問。
「じゃあ、結城と車に乗ってた暁って何者なのよ?
まさか、結城の奴、婚約者がいるのに堂々と浮気でもしてるとか?」
『それは、ねぇだろ。』
思わず口にした言葉に、瞬時に反応する男。