Wonderful DaysⅠ
「ほらな? だから魁とその女は関係ねぇんだよ。
クソ女に近付いたってのも、お前の気のせいじゃねぇのか?」
私と結城の話を聞いていた蓮が呆れたように言ってくるけど……
今、聞き捨てならない言葉を聞いた。
「ちょっと! “クソ女”って、まさかマリアの事じゃないでしょうね!?」
「……あ」
私に指摘されて「マズイ」って顔をした蓮。
「信じられないっ! まさか、マリアの事いつもそんな呼び方してるの!?」
「───おい」
頭にきて蓮の胸倉を掴もうとしたけど、前方から掛けられた声に手を止めた。
声の主に視線を向ければ、何故か私を睨んでいて……
「何?」
平静を装って返事をしたけど、結城に睨まれると身が竦む。
身に纏うオーラのせいなのか……
近寄り難い雰囲気もあって、とても同い年とは思えない。