Wonderful DaysⅠ
「へー。あのク……女、やっぱり男にも女にもモテモテじゃねぇか」
隣で聞こえた言葉に意識を戻して口から出た声は「は?」だった。
私の声に視線を向けてきた蓮の言葉に首を傾げる。
「マリアがモテモテって?」
学校でのマリアのイメージからは、かけ離れた事を言い出す蓮に聞き返したところで、誰かの着信音が鳴り響く。
私の着信音じゃないから、男二人を見ていればスマホを取り出して画面を確認したのは結城だった。
「───…何だ」
スマホを耳に当てた結城は、いつものように抑揚の無い声で電話に出たけれど
「あ?」
相手と会話を始めると、苛立った声を出して段々と顔の表情が険しくなる。