Wonderful DaysⅠ
本来の姿
◇
(side:慧)
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」
自動ドアを潜り抜けて店内に足を踏み入れれば、店員の揃った声で出迎えられた。
「お待ちしておりました、結城様。いつも、ご贔屓ありがとうございます」
この店の店長が一歩前に出て、にこりと笑みを向けてくる。
「結城……?」
俺の苗字を聞くと、隣で大きな瞳をぱちくりさせた彼女。
それには答えずに笑みだけ向けてから、店長の女性に注文をつける。
「彼女を、本来の姿に戻してもらいたいんだけど。出来る?」
俺の簡単な注文に、彼女をジッと観察する事、数秒間。
彼女から俺に視線を移した店長は、了承の笑みを浮かべる。
傍から聞いたら何の事かわからないだろうが、店長である女性には伝わったようだ。
「じゃあ、頼むよ」
「はい、お任せ下さいませ。では、お嬢様はこちらへどうぞ」
俺の声に頷いた店長は、彼女を部屋の奥へ促すように背中に手を添える。
(side:慧)
「「「「「いらっしゃいませ」」」」」
自動ドアを潜り抜けて店内に足を踏み入れれば、店員の揃った声で出迎えられた。
「お待ちしておりました、結城様。いつも、ご贔屓ありがとうございます」
この店の店長が一歩前に出て、にこりと笑みを向けてくる。
「結城……?」
俺の苗字を聞くと、隣で大きな瞳をぱちくりさせた彼女。
それには答えずに笑みだけ向けてから、店長の女性に注文をつける。
「彼女を、本来の姿に戻してもらいたいんだけど。出来る?」
俺の簡単な注文に、彼女をジッと観察する事、数秒間。
彼女から俺に視線を移した店長は、了承の笑みを浮かべる。
傍から聞いたら何の事かわからないだろうが、店長である女性には伝わったようだ。
「じゃあ、頼むよ」
「はい、お任せ下さいませ。では、お嬢様はこちらへどうぞ」
俺の声に頷いた店長は、彼女を部屋の奥へ促すように背中に手を添える。