Wonderful DaysⅠ
地味で素朴……
そう見えるようにしていたし、本当の事なんだけど……
知らない人に面と向かって言われると、何だか複雑な気分。
何て返事をすればいいのかわからなくて黙っていれば
「じゃあ、行こっか!」
「はい?」
私を、何処かに連れて行こうとする。
「え…ちょっ……」
手を握られて、咄嗟に振り払うと
「アルバートとの待ち合わせに遅れちゃうよ?」
警戒心を露にした私を気にする事無く、続けられた言葉に思わず動きが止まる。
───今、アルバートって言った?
「アル兄さんの知り合いなんですか!?」
「うん、友達。ちょっと待ってね」