Wonderful DaysⅠ


会話を終わらせて、アル兄さんのお友達にスマホを返した。


「あ、アル? うん、うん、任せて。了~解!! じゃ、また後で~。はいはい」


軽い返事をして電話を切った慧さんは、私に向き直ると


「さて。ちょっと、時間が掛かり過ぎたかな。そろそろ時間がヤバイから急ごっか」


腕時計を見れば、時刻は4時5分。


───まだ、此処に来てから5分しか経ってないよね?


徒歩で帰って自分で支度をするつもりだったから、急がなくちゃって思ってたけど……

慧さんに洋服の準備も任せてあるって言ってたアル兄さんの言葉を信じれば、そんなに急がなくても大丈夫なんじゃないのかな? って思う。

ドレスコードがあるって言っても、兄さんとホテルのレストランで食事するだけだから仰々しい格好をする訳でもないし。


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