Wonderful DaysⅠ


慧さんも運転席に乗り込んでエンジンをかければ、物凄いエンジン音と振動が体中に響き渡る。

これは……

暴走族のバイクの音の比じゃないくらい重い音。


───し、振動が気持ち悪い……


素直に言ったら降ろしてくれるかな……

口を開こうと慧さんに視線を向けたところで、爆音を鳴らしながら走り出してしまった車。


───ひぃぃ─────っ!! お願いですから、スピード出さないで下さい───っ!!!


凄いエンジン音と共にかなりのスピードで走り出した車は、あっと言う間にお洒落なお店の前に到着したんだけれど……

繁華街の一角に止まった派手な車は注目の的で、歩いている人もちらりと見ながら通り過ぎて行く。

慧さんが先に降りて助手席のドアを開けてくれたから、つられるように私も降りた。


───もう少し乗ってたら吐くところだった……


< 321 / 757 >

この作品をシェア

pagetop