Wonderful DaysⅠ
慧さんも運転席に乗り込んでエンジンをかければ、物凄いエンジン音と振動が体中に響き渡る。
これは……
暴走族のバイクの音の比じゃないくらい重い音。
───し、振動が気持ち悪い……
素直に言ったら降ろしてくれるかな……
口を開こうと慧さんに視線を向けたところで、爆音を鳴らしながら走り出してしまった車。
───ひぃぃ─────っ!! お願いですから、スピード出さないで下さい───っ!!!
凄いエンジン音と共にかなりのスピードで走り出した車は、あっと言う間にお洒落なお店の前に到着したんだけれど……
繁華街の一角に止まった派手な車は注目の的で、歩いている人もちらりと見ながら通り過ぎて行く。
慧さんが先に降りて助手席のドアを開けてくれたから、つられるように私も降りた。
───もう少し乗ってたら吐くところだった……