Wonderful DaysⅠ
「お待ちしておりました、結城様。いつも、ご贔屓ありがとうございます」
その中の店長と書かれたプレートを胸につけた女の人が一歩前に出て、慧さんににっこりと微笑んだのを見ていたんだけど……
「結城……?」
店長さんの口から出た言葉に、思わず聞き返してしまった。
何も言わずに微笑むだけの慧さんは、魁さんと同じ苗字だったようで、思わず魁さんの笑顔を思い出してしまった。
───魁さんに会いたいな……
普段、目にすることすら難しい魁さんに恋をしているとわかって、朝から無性に会いたくなっていた。
よく考えてみれば、いつも偶然会えていたけど私って魁さんの連絡先も知らない。
今まで会えていたのって、奇跡だったんだと思う。
だって、学校の女の子達も「結城さんの姿を見れたら超ラッキー!」って言ってたし。
今度、もし会えたら連絡先聞きたいな……