Wonderful DaysⅠ
「……お疲れ様でした」
背後から掛けられた言葉に振り向けば、その反動でサラサラと零れ落ちてくる髪。
完全に戻ったハニーブラウンに眩暈がしてくる。
この部屋に入った私は、まずフィッティングルームで用意されていたワンピースに着替えてこの椅子に座った。
慧さんの運転に酔っていたせいなのか、不覚にも目を閉じたらそのまま熟睡してしまっていた私は、目が覚めた時には今の状態で。
「何で……」
「結城様のご要望で、元の姿に戻して欲しいとの事でしたので」
私の言葉を汲み取るように続いた店長さんの言葉に首を傾げてしまう。
「元の姿……?」
確認するように口を開けば、にこりと笑顔を見せる店長さん。
「はい。お嬢様の髪の根元は黒ではなく、ハニーブラウンでしたから」