Wonderful DaysⅠ
髪の毛の根元……迂闊だった。
最近は、あまり髪の毛の事を気にしていなかったから気付かなかった。
自分の危機感の無さを痛感する。
「それから……瞳が少し赤くなっていますので、コンタクトをお外しになった方がよろしいかと……」
此処には鏡が無いから自分で確認する事は出来ないけど、店長さんが心配そうに見ているから、きっと赤くなっているんだろう。
そういえば、地味に目が痛い。
コンタクトしながら寝ちゃったからかな……
「よろしかったら、どうぞ?」
そう言って銀の手鏡を渡された。
「ありがとうございます」
お礼を言って受け取り、そこに自分の姿を映せば……
「……誰、これ?」
心の中で思っていた言葉が、思わず口から零れた。