Wonderful DaysⅠ
髪の毛が元の色に戻ったのは置いといて、この顔は誰??
やけに瞼が重いと思っていたのは、何重にも重ねられたこのマスカラのせいだったのか……
普段、メイクなんてしないから顔に塗られたファンデーションでさえも重く感じる私って、どれだけ女子力がないのよ? と、自分に突っ込みを入れてみた。
何だか、瞬きをする度にバサバサと音が鳴りそうなほどボリュームのある睫に、控えめに乗せられたアイシャドウとアイライン。
ぷっくりと膨らんだ唇には、服に合わせたピンクのグロスが塗られていて艶々している。
控えめなメイクなのに、鏡に映った自分は別人だった。
どこをどうすれば、こんな風に仕上がるの?
「どうかされましたか?」
あまりにも鏡を見つめたまま微動だにしない私に声を掛けた店長さんに
「な、なんでもないです……」
返事をして、慌ててコンタクトを外した。