Wonderful DaysⅠ
それに黙って頷けば
「ハハ……やっぱり、君はあの二人の兄妹だね。とてもよく似ているよ」
笑顔に変わった慧さん。
プロの人にメイクをしてもらって、兄さん達と似ていると言われても……
───ちょっと、複雑なんですけど……
だって、兄さん達はメイクなんてしてないし。
メイクしなきゃ似てないって、どうなの?
「こりゃ、益々ご対面が楽しみだわ」
複雑な表情をしていた私の前方で、慧さんがにんまりと笑った。
私達、兄妹の対面の何が楽しみなのかよくわからないけど、満足気な慧さんに店長さんも笑顔を見せる。
「只今、お飲み物をお持ち致しますね」
「あ~、もう時間無いから飲み物はいらないよ」
「かしこまりました」
店長さんの申し出を断って、ソファーから立ち上がった慧さんは、私にゆっくりと近付くと
「さぁ、今から王子様を驚かせに行くよ」
大きな紙袋を持ってウィンクした。