Wonderful DaysⅠ
「…はぁ」
少し落ち着いて個室から出ると、視界に映った鏡。
近付いて見ると、真っ青な筈の顔色はメイクで全くわからなくて、思わず苦笑いしてしまう。
薄化粧に見えて、実は厚化粧なのか…
プロのメイク技術に関心して鏡を覗き込んでいれば、大人な雰囲気の女の人が3人、話をしながら入って来た。
「ラウンジにいた人達、格好良かったねー!」
「ほんと。芸能人よりもいい顔してたよ」
───ん? ラウンジ?
確か、アル兄さんとの待ち合わせもロビーラウンジだって慧さんが言ってたよね?
兄さんと慧さんの事だったりして……
ちょっと気になって、手を洗いながら耳を傾けていれば
「でも、なんか雰囲気悪かったよね」
あまりよろしくない事を言い出した。