Wonderful DaysⅠ
───は? マーク兄さんとアル兄さんが日本に来る!?
「う、嘘っ!? でっ、電話貸して下さいっ!」
スーツのポケットから、スマホを取り出して渡してくれる修さんから慌てて受け取って、電話番号を押そうとした私だけど。
「……………………」
「どうしたの? 電話しないの?」
動かなくなった私を覗き込んでくる修さん。
「あの……私、スマホの使い方知らないんです」
携帯電話すら持っていなかった私に、スマホの使い方なんて分かるはずがなかった。
「ちょっと貸して?」
私の手からスマホを受け取ると、慣れた手つきで動かして耳に当てた修さん。
「……あ、もしもし? マーク? マリア見つかったよ」
受話器の向こうで大声を出しているのが、ここまで聞こえてきた。
やばい。マーク兄さん怒ってるかな……
「うん、ちょっと待っててね。はい、マリア」
出たくないけど、恐る恐るスマホを受け取って耳に当てる。