Wonderful DaysⅠ
「……もしもし」
『マリアかっ!? ───はぁっ…無事で良かった』
開口一番、私の無事に安堵の息を漏らしたマーク兄さん。
心の底から心配してくれていた事に、申し訳なく思っていると
『──何で、空港からリムジンに乗らなかったんだ!』
少し低くなった声に、思わず身震いがした。
「だって、リムジンが空港で待ってたなんて聞いてないもん!」
『いや、ちゃんと説明したはずだぞ? アルが……』
やっぱり、アル兄さんか!!
「アル兄さんからは何も聞いてない。空港でいきなり大雑把な地図を渡されて、飛行機に乗せられたんだから!!」
『……………………』
あれ? 電話の向こうが大人しくなった?
「マーク兄さん?」
『あ…あぁ、悪い。アルには俺が罰を与えておくよ』
マーク兄さんからの罰なんて、恐ろしくて想像したくもない。