Wonderful DaysⅠ
───あれから……
しばらく歩いてデパートの中に入った私達は、正面にあったエスカレーターで移動して、10階にある「ダイニングパーク」までやって来た。
最初に目に飛び込んできたのは、室内とは思えないくらい緑いっぱいの庭園。
その横にあったカフェは、まるでパリのオープンカフェのような雰囲気でとてもお洒落だ。
広いフロアをぐるっと一周して、どんなお店があるのか確認していると、ある一軒のお店に私の視線が釘付けになった。
それに気が付いた魁さんが
「此処?」
私の顔を覗き込んでくる。
「あ、気になっちゃって……」
「じゃあ、此処にするか?」
「え…いいんですか?」
まさか、同意してもらえるとは思っていなくて聞き返してしまったけど
「今日は、マリアが好きなものでいい」
そう言って微笑むと、私の手を引いて店内へと足を踏み入れたのだった。