Wonderful DaysⅠ


それに、魁さんがしたのはお姫様抱っこなんかじゃなくて、脇に私を抱えていただけだし。


───噂って怖い……


「何で、俺がマフィアに命を狙われなきゃいけねぇんだ」


尤もな魁さんの言葉に


「俺も全部信じてたわけじゃねぇけど、次々と入ってくる目撃情報がどれも同じ様な内容だったから心配だったんだよ。実際、黒服の怪しい外人に追われていたのは事実だったしな」


苦笑いの葵さんは「それに…」と話を続ける。


「魁が駅や地下街を、女と歩いていた画像が送られてきてたから、それも気になってね…」


魁さんに向けていた視線を、私に移した葵さん。

それに倣うように、蓮さんや他の人達の視線も向けられて、思わず頬が引き攣ってしまう。


───皆さんの視線が痛すぎる……


私を見る葵さんの目は、とても優しい感じがするんだけど……

蓮さんなんて、目を見開いて口をパクパクしてるけど言葉になってないし、他の人達に関しては怖過ぎて直視できません。


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