Wonderful DaysⅠ
「いや、ちゃんと用意しておくからっ!」
何を慌てているのか分からないけど
あまりに力を込めて言うものだから
「わかりました。いつも、すみません」
結局は私が折れて修さんに頼ってしまう。
そんな私にホッとした修さんがにこりと笑って
「気にしないで?好きでやってるんだからさ」
そう──修さんは大の料理好き。
ホストクラブのオーナーと言う肩書きを持ちながら、趣味でカフェまで経営しているお人なのだ。
煌びやかな世界でホストをしてた人が、今はコックコートを着てカフェの厨房で料理をしている。
お店も大繁盛していて、毎日お客さんが満席状態。
大体、修さん狙いのOLが多いのだけど・・・
「それより、早く食べないと・・・」
修さんの目線が壁に掛けられたアンティーク調の時計に向く。