Wonderful DaysⅠ


あれから、どれだけ経ったのだろうか……



窓から見える式場に視線を向けたまま、なかなか帰ってこない魁さんを何も考えずに待っていた私。


貰ったココアを飲む気にもなれず、持ったままだったそれは、手の中ですっかり冷え切っていた。


そんなココアとは反対に、暖房が効いた車内は冷えていた私の体を暖めてくれて、今は熱を帯びた頬が少し熱い。


「魁さん、まだかな…」


ぽつりと呟いた言葉は、狭い車内でやけに大きく耳に響く。


───ね、眠い……


体が暖まったせいか、瞼が段々重くなってきた。


まさか、神威の車の中で眠るわけにはいかないから、必死に瞼を持ち上げる。


───魁さん、早く帰ってきて下さい……


私の願いも空しく、一向に姿を見せない魁さんを待ちながら重い瞼は閉じていった。



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