Wonderful DaysⅠ

The date of midnight Ⅴ







既に深夜も近いというのに、相変わらずイルミネーションが煌々と夜の町並みを飾っている「みなとみらい」。


道路脇に止まる漆黒の高級車の前ではスキンヘッドの厳つい男が睨みを利かせ、何人たりとも近づかせないような殺気を放ち、守るように立っていた。


そこに悠然と歩いてくる長身の男が二人。

一人はダークグレーのスーツに黒のロングコート姿。

やや長めの前髪をかきあげ、見えるダークブラウンの切れ長な瞳は前方の漆黒の車だけに視線を向けていた。

もう一人は、深いブルーのハイネックの上に黒のダウンジャケット、ジーンズ姿。

黒い瞳は周囲に視線を走らせ、警戒している様子が伺えた。

言葉を交わしながら歩を進める二人の表情は険しい。


その姿を視界に捉えれば、お辞儀をして後部座席のドアを静かに開けるスキンヘッドの男。


「お疲れ様でした」


「誰も近づけてねぇだろうな?」


「はい、勿論です」


車に乗り込む直前、低い声が男の耳に届くと直ぐに返事が返ってくる。


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