Wonderful DaysⅠ






───熱い……


なんだか、体がものすごく熱い……

浮上する意識の中、そんな事を考えながら薄らと瞼を持ち上げた。


「…………」


───あれ……? 私、目開けたよね?


目を開けているはずなのに、なぜか目の前は真っ暗。

呼吸もなんだか息苦しい。


何度、瞬きしても変わらない視界に


───うそっ! 私、目が見えなくなっちゃった?!


一瞬、うろたえたけど頭から何かを被っている事に気づいて、慌ててそれを掴んで引っ張った。

それと同時に肺に酸素を送り込むと、さっきまでの息苦しさから開放される。


真っ暗だった視界に最初に映ったのは、車の運転席のシートで。


「……私、車に乗ってたんだっけ……?」


いまいち記憶が定かじゃないのは、寝起きで頭がボーっとしているからだろうか……


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