Wonderful DaysⅠ
◇
───熱い……
なんだか、体がものすごく熱い……
浮上する意識の中、そんな事を考えながら薄らと瞼を持ち上げた。
「…………」
───あれ……? 私、目開けたよね?
目を開けているはずなのに、なぜか目の前は真っ暗。
呼吸もなんだか息苦しい。
何度、瞬きしても変わらない視界に
───うそっ! 私、目が見えなくなっちゃった?!
一瞬、うろたえたけど頭から何かを被っている事に気づいて、慌ててそれを掴んで引っ張った。
それと同時に肺に酸素を送り込むと、さっきまでの息苦しさから開放される。
真っ暗だった視界に最初に映ったのは、車の運転席のシートで。
「……私、車に乗ってたんだっけ……?」
いまいち記憶が定かじゃないのは、寝起きで頭がボーっとしているからだろうか……