Wonderful DaysⅠ


「そう言えばよぉ」


前方からか聞こえてきた言葉に思わずダッシュしようした足が止まった。

正面は姿が見えないから恐らく数メートル先にある左側の脇道。


・・・・


思わず隠れてしまった。


「白皇(はくおう)の噂知ってるか?」


───白皇・・・って何?


「あぁ、知ってる。女捜してるんだろ?」


ぞろぞろと歩きながら話をしている5人組は不良高の割には普通の男の子。

白皇って人が人探しをしているらしい事を興味深げに話しながら通り過ぎていく。

きょろきょろと見渡して生徒の姿がない事を確認してからダッシュで走り抜けて学校に向かった。

必死こいて走り続けたのに・・・



───キーンコーンカーンコーン


正門まであと50メートルの所で非情にも鐘が鳴った・・・


───あぁ・・・トイレ掃除決定。


あそこで隠れていなければ間に合ったのに。

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