Wonderful DaysⅠ


「……魁さんの……家?」


「そ。俺が帰ろうとしたら、魁が君を抱えて帰ってきたの」


魁さんの家───っ!?

気を失った私が運ばれたのは、病院なんかじゃなくて魁さんの家だった。


「…………」


熱のせいと、驚きでうまく思考が回らない。

え~と……落ち着いて考えよう。

私は寝込んでいる間、ずっと魁さんの家にお世話になっていた。

って事は、その間は修さんの家には帰っていないわけで……


「…………」


今の状況を把握したところで、嫌な汗が背筋を伝う。


───ヤバイ……


だって、これって……


“無断外泊”


もしかしなくても、これは非常にヤバイ状況だ。

帰って来ない私を、修さんが探さないはずがない。

連絡が取れなければ最悪、例のモノが出される筈……


「…………」


「どうした? 顔色が真っ青だぞ!?」


「……願い…」


「は?」


「どうしよう……捜索願い出されちゃう……ってか、もう出されちゃってるかもしれないっ!!!」


私の悲鳴に似た声が、部屋中に響き渡った。


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