Wonderful DaysⅠ


このベッドは、魁さんのベッドで。

当たり前だけど、魁さんは毎日このベッドで寝てるんだよね…?


じゃあ、魁さんは何処で寝ていたの?


「…………」


「マリア?」


魁さんの顔を見て、サーッと再び血の気が引いていく気がした。


「私、ベッドを占領して……また、魁さんに迷惑掛けていたんですね」


もう、穴があったら入りたい。

好きな人に、どんだけ迷惑掛けちゃってんの。

そんな私に、そっと上掛け布団を掛けてくれた魁さんは


「そんな事は気にしなくていいから、早く治せよ」


優しく頭を撫でてくれる。


「……はい」


申し訳なく思いながらも嬉しくて。

とにかく、早く熱を下げて治そうと思った。


「じゃあ、診察させてもらえるかな?」


魁さんとは反対側に立って待っていた先生に声を掛けられて頷けば、何故か手にしているのは棒の長い綿棒で……


───綿棒なんて、何するんだろう?


不思議に思っていれば「ちょっと、失礼……」と言う先生の言葉と共に、ズボッと鼻の穴に差し込まれた綿棒。


「……いっ!!」


痛────いっ!!!


───何するんですか、先生っ!!!



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