Wonderful DaysⅠ
「…………」
魁さんが、私の旦那様?
「マリア?」
あの、魁さんが……
───ダメだ……想像しただけで鼻血出そう……
一人、脳内妄想を繰り広げ身悶えていれば、優しく頬に触れた感触に勝手に体がピクリと反応する。
その感触に促されるように視線を上げれば
「くっくっ。お前…益々、真っ赤になってるんだけど。何、想像してんだよ? まぁ、大体、察しはつくが……」
そこには面白そうに笑う魁さんがいて。
「う……」
図星を指されて動揺する私だったけれど……
「わっ!!」
腕を引かれて、一瞬で変わった景色に思考が停止した。
目の前は真っ暗。
でも、ふんわりと香ってくるフレッシュシトラスで、魁さんに抱きしめられているんだとわかった。