Wonderful DaysⅠ
“やっと、俺のもの”
その強い想いに、心臓が止まってしまうかと思った。
「…っ……」
初めて知った魁さんの気持ちに、熱いものが込み上げてくる。
だって……
魁さんに初めて出会ったのは12歳の時で。
私をお嫁さんにしてくれると言ってから、もう5年の歳月が流れているのに……
ずっと私だけを想っていてくれたのかと思うと、必死に堪えていた涙がポタリと零れ落ちた。
───嬉しい……
「───マリア……」
魁さんのダークブラウンの綺麗な瞳には、私だけが映し出されていて。
そんなに甘い声で名前を呼ばれたら、どうしていいのかわからなくなってしまう。
今の私は、さっきよりも更に顔が真っ赤になっているはず。
頬に感じる熱が、熱くて仕方がない。
そんな私の頬を撫でた、魁さんの少し冷たい指先が心地良くて目を閉じたけれど……
次の瞬間、唇に感じた柔らかな熱に驚いて、目を思いっきり見開いた。