Wonderful DaysⅠ
ハァハァと肩で息をしている私とは対照的に、息一つ乱れていない魁さん。
なんだか、不公平だ……
私はこんなに息苦しいのに、魁さんは頬を染めて満足そうに微笑んでいるなんて。
「……お前、ちゃんと鼻で息してるのか?」
そんな私の目を覗き込みながら聞いてくる魁さんに
「は、鼻……? 鼻で息するんですか?」
思わず、聞き返していた。
───え? キスしている時って、鼻で息するもんなの!?
初めて聞いたそれに驚きを隠せなかった。
だって、鼻で息なんてしてたら魁さんの顔に鼻息がかかっちゃうじゃん!!
「…くっくっ…やっぱり、息止めてたのかよ」
声を押し殺して笑っている魁さん。
───誰のせいで、こんなに息切れしてると思っているんですか!
心の中で文句を言っていれば
「……なら、次は鼻で息しろよ?」
ありえない言葉を残して、三度私の唇を塞いだ魁さん。
「…んぅ────っ……」
そして、その行為は私がぐったりするまで行われ続けた……