Wonderful DaysⅠ


「何言ってるのさ。アル君、4日後には仕事が入ってるんでしょ? 
体調崩して仕事休んだら、怖いお兄様に蹴飛ばされるんじゃないの?」


この王子様の最大の弱点であるマークさんの名前を出せば、案の定、グッと唇を噛みしめたアル君。


「心配しなくても、マリアちゃんの事は手厚~く看護しているからご心配なく!
結城家の主治医も泊り込みしてるから、周防さんの家に帰るよりは安心出来ると思うけど?」


最近は、仕事が忙しくなって外出が多くなった周防さん。

あんな可愛い妹を家に一人残すなんて、アル君にもマークさんにも出来ないはず。


「───わかったよ……」


予想通りの返事が返ってきて、内心ほくそ笑む俺だったけど……

「でも……」と続いたアル君の言葉に背筋が凍る。


「マリアにアイツを近づけるなよ?」


「インフルエンザなんだから、当ったり前じゃん!!」


咄嗟に答えて、苦笑いを浮かべるしかなかったけど……

もう、遅かったりして……アハハ……


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