Wonderful DaysⅠ
「あ、綾ちゃん……」
私の後ろに立っていたのは、綾ちゃんだった。
「おはよう、マリア。体は、もう大丈夫なの?」
ずっと休んでいたから、心配そうに聞いてくる綾ちゃん。
「おはよ。うん、もう、大丈夫!」
「なら、良かったわ。今日で学校も終わりだから来れて良かったわね」
「うん」
並んで話しながら、歩いていれば
「ところで、気絶しそうってなぁに?」
「へ?」
忘れかけてた事を聞かれて、声が裏返った。
「今、独り言を言ってたじゃない」
「……あ」
そうだ…私の独り言、綾ちゃんに聞かれてたんだった。
ヤバイ……一番聞かれちゃいけない人に、聞かれちゃったかもしれない。
だって私には……
「うん…ちょっとね……」
「あら、私に隠し事?」
「隠し事なんて……」
「じゃあ、教えてくれるわよね?」
綾ちゃんの追撃をかわす術なんて持っていない。
目の前の綾ちゃんは迫力満点で。
───こ、怖い……