Wonderful DaysⅠ
車で到着したそこは、会社のパーティー会場と言うには豪華過ぎる造りの洋館だった。
後部座席のドアが開いて外へと出れば、モーニングに身を包みシルクハットを被っているドアマンが笑顔で挨拶をしてくる。
それに笑顔で答えた父さんと並んで、会場の階段へと向かう。
「すげぇな……会社のクリスマスパーティーって、毎年こんな所でやってるのかよ」
思わず、見上げて呟いた。
「まぁ、ウィンザーのパーティーだからな」
「ウィンザー?」
「あぁ、このパーティーの主催会社だ。社長が交代したばかりでな、まだ若いんだ」
「へー……」
別にパーティーを主催する会社になんて興味ないから、適当に相槌を打つ。
入り口で招待状を見せて中に入れば、招待された男性は全員タキシードで、女性はロングドレス。
まるで、映画を見ているような光景が広がっていた。
時間ピッタリに始まったクリスマスパーティー。
まずはレセプションで、飲み放題のバックス・フィズ(シャンペンをオレンジジュースで割ったカクテル)、子供はオレンジジュースで、各会社のグループごとに全員集合するのを待ちながら、ドリンク&歓談タイム。