Wonderful DaysⅠ
だから、こういうパーティーに出るのは嫌いなんだ。
気が付けば、他からの視線も感じて思わず眉間が寄る。
「……おいおい、魁。せっかくのパーティーなんだから、もうちょっと愛想良く出来ないか?」
「……無理。」
父さんが苦笑いを浮かべて声を掛けてくるけど、無理なものは無理。
ジロジロと見られていると、値踏みされてるみたいで気分が悪い。
だから、俺じゃなくて兄貴か慧を連れて行けって言ったんだ。
予想外だったのは、アホ慧の病気が渡英前日だった事。
「まったく……」
隣から聞こえる溜め息を無視して視線を流せば、ふと、ある一点で目が留まる。
目に飛び込んできたのは白。
他にも白いドレスを着ている女なんて、この会場には山ほど居るのに。
なぜか、そこで止まった。
その視線をゆっくりと上へと流していけば、俺の目は純白のドレスを着ている女の横顔に釘付けになる。