Wonderful DaysⅠ


「……………………」


「ちょっと、魁君!?」


説明は父さんに任せて、いつもの如く無視を決め込もうと思っていたが……


「ねぇってば! おーい!!」


「───んなわけねぇだろ……」


あまりのしつこさに、思わず口を開いた。


仮に政略結婚を持ち掛けられたとしても、俺がそれに同意する筈がないことぐらい、聞かなくたって分かりきってるだろ。


「だ、だよねぇ……」


じろりと睨みつければ、頬を引き攣らせながら下がっていく慧が発した言葉は尻窄みになっていく。


「慧も、少しは落ち着きなさい。大体、うちと血縁関係になっても、ウィンザーには何のメリットもないだろう?」


煩い慧を宥めるように話す父さんに


「そうかもしれないけど……じゃあ、どうしていきなりそんな事になったの? 
マークの妹って言ったら、公の場には出て来ないから滅多に会えない筈だよね? 
実際、俺も妹がいるとしか聞いた事がないし」


同意しながらも、婚約した事に対してまだ納得がいかないのか、今度は兄貴が矢継ぎ早に質問をする。


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