Wonderful DaysⅠ
「……………………」
果たして……
この人に何て説明すれば、マリアとの結婚を認めてもらえるんだろうか?
“一目惚れ”なんて言ったら、その場で却下されそうだ。
それでも、なぜと聞かれたら……
「………………直感」
そうとしか答えられない。
理屈なんてない。
彼女のエメラルドグリーンの瞳を見た瞬間、どうしても欲しいと思ったんだ。
「……直感?」
どうやら思った事を声に出していたようで、俺の口から零れた声を拾ったマーク・ウィンザーは目を見張る。
鼻で笑われるかもしれないと思っていたけれど。
俺の予想に反して黙り込む目の前の人物に、不意に思い出した事を付け加える。
「それに……マリアは、日本に帰りたがっています」
「……何の事だ」
眉間を寄せて険しい表情を見せるマーク・ウィンザーは
「泣きながら、日本に帰りたいと言っていました」
「…………っ……」
俺の言葉が予想外だったのか、動揺しているように見えた。