Wonderful DaysⅠ


その後、彼から出された条件は……


「強くなれ」


マリアを、何者からも守り抜けるように。


「女絡みのスキャンダルを起こすな」


マリアが悲しまないように。

もし、耳に入った時点で婚約は解消。


「五年後の12月25日午前0時までに、マリアに婚約の意思を確認すること」


その時に、マリアが“NO”と言えば、婚約は解消すること。


と、この時点では三つだけだった。

そう……“この時点では”


正直、もっと無理難題を押し付けられると思っていた俺は、拍子抜けしたのだが……


「後は、追々だな」


「……………………」


───追々……?


追々って事は、まだ増えるって事か?

続いた彼の言葉に、一抹の不安が過ぎる。

そんな俺を見て「あぁ、それからもう一つ」と、思い出したかのように付け加えられたのは


「マリアに会うのは意思の確認をする時以外、お前が高校を卒業するまで許さん」


一番辛い条件だった。


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