Wonderful DaysⅠ
「……無理はしてない」
ぽつりと呟いた言葉に、三つの刺さるような視線が向けられる。
それは、俺の言葉なんてまったく信じていないようなものだったが、気にすることなくその場を後にした。
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自室に戻った俺は、ベッドに寝転がって早速届いたFAXに目を通す。
マークさんから届くのは、初歩的なビジネスに関することからイギリスの社交術に至るまで様々で。
定期的に大量に届くそれに目を通しては、頭に叩き込んでいく。
最初の頃は、それこそ嫌がらせで送ってきているのかと思っていたが、読んでいくうちにそれは違うと気づいた。
学ばなければならないことを、順を追って解りやすいように纏めてあって。
どうやら、マークさんなりに俺のことを考えてくれているらしい。
……多分。