Wonderful DaysⅠ
何枚目かの書類に目を通し終えて、ちらりと視線を横に向けた。
「……………………」
そこには、新たに増えた紙の束が積み上げられていて。
帰国した翌日から届き始めた書類や本は徐々にその量が増えていき、今では読んでも読んでも机の上から消えることなく重ねられている。
そして、送られてきた分を読み終える頃に掛かってくるマークさんからの電話は、どこかで監視されているんじゃないかってくらいのタイミングの良さで……
きっと今回も、指定された三日後には連絡が入るだろう。
「あまり、根を詰めるなよ……」
兄貴の言葉が、頭を巡る。
自覚はしていたが、誰に言われようとこの先も今の生活を変えるつもりはない。
何も考えないように、と空いてる時間を埋めるように勉強していたのは自分の意思だから。