Wonderful DaysⅠ
「あのっ・・・」
追い着いて声を掛ければ振り向く魁さん。
「何だ」
「魁さんも買い物があるんですか?」
思った事を口にすれば
「は?買い物すんのはお前だろ?」
何言ってんだ?って顔をする。
「買い物はしますけど・・・」
私の反応に何が言いたいのか気が付いたのか
「家まで送ってやる。どうせ、此処からまた迷子だろ?」
口角を上げて言うと、また歩き始めた。
魁さんの言う通り一人で帰れば迷子になるのは確実で。
お言葉に甘える事にした私はメモに書かれた物をポイポイとカゴに放り込んでいく。
「・・・おい。」
いつの間に追い越したのか、後ろから魁さんの声が聞こえた。
「はい?」
その声に返事をして振り向けば、魁さんの視線は私の手元に向いていて。